情緒不安定について

■情緒不安定とはー 心の不安や情緒不安定さから強い不安に発展した際に見られる“全般性不安障害”の症状や特徴について


イライラしたり、不安な気持ちや情緒不安定になったりということは、“生きていれば誰にでも起こる自然な反応の一部”でもあります。

しかし、最近では“単なる情緒不安定”とか“誰にでも起こる自然な反応”というだけでは片付けられない程に、自分自身の情緒の浮き沈みの激しさに翻弄され、日常生活に支障をきたすケースが非常に多く見受けられます。


劇的な発作に襲われることはないけれども、不安の種が次々と現れて、絶えずつかみどころのない強い不安や情緒不安定に苦しめられるとともに、身体や心にさまざまな不調が見られる場合、「全般性不安障害」に陥っている可能性が考えられます。


■“情緒不安定”につけられた新しい疾患名─ それが「全般性不安障害」


ちなみに「全般性不安障害」は最近つけられた新しい疾患名です。


これまでは「不安神経症」と一括りにされていたものを2つに分けて、慢性的な情緒不安定や不安に悩まされている場合は「全般性不安障害」、急な不安発作を繰り返す場合は「パニック障害」と診断されるようになりました。全般性不安障害には、急な不安発作、いわゆる「パニック発作」などは見られませんが、いつも不安な気分、身体的な不安症状が消えません。


しかも、自分ではどうしようもない程、強い不安感に苛まれます。 この全般性不安障害とは、症状の中心が“不安”であるさまざまな障害です。誰でも不安を感じたり、情緒不安定になることはありますが、不安障害の場合は、不安の対象がはっきりせず、度合いも極端です。全般性不安障害情緒不安定や不安は、例えば病気・事故・失敗などの将来起こるかもしれない(と仮定した上での)不幸を心配したり、自分ではどうすることもできない事柄を深刻に悩んだりと、他人の目にはナンセンスに見えるようなものが多く見受けられます。


全般性不安障害は、女性が陥りやすいケースが多いと言われており、20歳代での発症が目立ちます。


■過度な不安が引き起こすー 「全般性不安障害」によく見られる症状


全般性不安障害の症状としては、過度な不安が運動系の緊張や自律神経系の過剰な活動、警戒心の 強さなどを引き起こします。


そのために普通の日常生活を送ることができません。ここで言う「運動系の緊張」とは、一般的にふるえ、落ち着きのなさ、頭痛な どになって現れます。一方、「自律神経系の過剰な活動」は、呼吸が速くなる、発汗、動悸、消化器系の異常などになって現れます。


また、「警戒反応」として は、焦燥感や驚きやすさなどがよく見られます。ほとんどの場合、心身症、パニック障害、うつ病などの他の疾患と合併して起こることが多いと言われています。


自律神経失調症チェックリスト
(心のための情報ページから)