師走の声

師走となりました。


慌ただしく世間は動き、一見華やかな光景がテレビなどでも流れています。


そんな中、心に深い悲しみと怒りを抱えた方々がひっそりと唇をかみしめて佇んでおられるのをご存知でしょうか。


「なんで自分だけが…」そんな声を心に秘めて生きておられる方に気付いてあげてください。


あなたの一言が本当に命を救うことがあります。


ジョディ・フォスターとメル・ギブソンの「それでも愛してる」という映画を見ました。うつ病になってだんだんと「変な人になっていく夫、または父」とその家族を含めた周囲の人の困惑と、うつになった本人の苦しみが描かれた映画でした。


支える側の限界や苦しんでいる人の限界を描き出し、リアルにうつ病にまつわる人々の陥る状況を映像化していました。


おすすめの映画ですので、是非ご覧になってください。


その映画の中で、メル・ギブソン演じるうつにかかった主人公が、自分の中の怒りをぬいぐるみのビーバー(パペット)に話させる場面が長く続くのですが、その怒りの言葉が「まさにうつ病にかかった人の声」であると頷いてしまうもので溢れていました。


レズビアンであるということを自ら公言し、本人も苦しみを背負ってきたジョディ・フォスターならではの脚本と監督ぶりがいかんなく発揮されている映画であると思います。


「腫れ物に触るようにするな!」という訴えと、「それでも支えてくれ!」という訴えが同時に発せられるのがうつの方の周囲への大きな声です。


みなさんも師走のざわめきの中にそんな方々の声が混ざっていることを思って、もし近くにそんな方がいたら、聞き耳を立ててあげてください。