ストレスによる侵蝕

ストレスと一言で言っても、様々なものがあり、さらに個人差もあるのですから、一概にストレスとは何かを語ることはできません。


しかし、そのストレスが心を侵蝕していくしていく段階のことは分かっています。


ストレスの高まりを感じている方は、自分がどの段階にあるのかを確かめる目安としてください。


カナダの生理学者ハンス・セリエによるとストレスの侵蝕は三つの段階に分かれて進んでいきます。


第一段階:警告反応期

ショックを受けて身体の機能にまで機能低下がもたらされることもあり、一時的に混乱で身動きできないが、ストレスを跳ね返す力は持続して保有しているので、回復も早い状態。


第二段階:抵抗期

ストレスが継続的に続くと、残存する抵抗力で弾き返そうとし続けるが、完全に跳ね返すことができず、かろうじて心や体のバランスを保てる状態。


第三段階:疲弊期

慢性的なストレスを感じ、精神も肉体も力をなくし疲労困憊しており、抵抗する気力などもなくしている状態。


うつ病で気を付けなくてはならないのが、ストレスを感じないと日ごろから「自分は頑丈だ」と言っている人ほど、段階進度が上がりやすく、気が付いた時にはかなり病状が進行していたということになりがちであるということです。


日常的にストレスを抑え込んで生きてこれた方が、肉親の死や部署転向など、本人の予想外のことがあるとそこでショックを受け、突如としてうつ状態に突入してしまうことがあります。


ストレスとの付き合い方を工夫して、「身のカワシ方」を覚えると人生の中で大きな差が生まれてくることでしょう。是非、ストレスの相談ができる人を身の回りに確保してください。