運動は、うつに効く!?

■週3回の運動でうつになるリスクが19%減少するとの調査結果

ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジの研究チームは1958年生まれのイギリス人、1万1135人について調査を行った。被験者には23歳、33歳、42歳、50歳のときに、抑うつ症状の程度を評価するための質問に答えてもらうと同時に、運動の頻度を報告してもらい、うつに陥るリスクと運動との関連を分析した。

その結果、週に1回運動をする回数を増やすと、うつ状態に陥るリスクが6%低下し、運動する回数を0から3回に増やすと、リスクは19%低下することがわかった。
出典週3回の運動でうつになるリスクが19%減少するとの調査結果 - IRORIO(イロリオ)



今回の調査では、とくに若いとき(23歳時)に抑うつ状態にあった人は、そのような症状がなかった人に比べて、その後も体を動かす頻度が上がらない傾向にあり、うつ症状が体を動かす妨げになっている可能性があることもわかった。

運動がうつの予防や緩和につながる理由としては、気分が紛れる、食生活が改善される、人と交流したり太陽を浴びたりすることによって、うつ症状を緩和するエンドロフィンやビタミンDが生成されるといったことが考えられる


■エクササイズがストレスによる鬱病を防止するメカニズムの1つが判明!!

スウェーデンの研究者らは、運動時の骨格筋に注目。わたし達が身体を動かすとPGC-1a1というタンパク質が筋肉内で増加するが、同タンパク質がストレスを加えたマウスにどう影響するのかを調査した。


運動する筋肉に多くみられるというKATは、ストレスにより生成されたキヌレニンをキヌレン酸に変化させることがわかり、その結果、キヌレニンが血液から脳へと運ばれなくなることが明らかになった。

実際にKATが多いマウスにキヌレニンを注入したとき、この酵素がすぐにキヌレニンをキヌレン酸に変えてしまうため、血液中のレベルには違いがみられなかったという


まず第一に、筋肉中にPGC-1a1が多いと、キヌレニンアミノトランスフェラーゼ(KAT)という酵素も多いことがわかっている。そして第二に、うつ病などの精神病患者は、アミノ酸の一種であるキヌレニンのレベルが高い。

実験では、運動無しでもPGC-1a1を多量に作り出す遺伝子組み換えマウスと、通常のマウスにストレスを加えて違いを比較。キヌレニンの働きはまだよくわかっていないそうだが、ストレスを加えて5週間後のマウスには鬱の症状が現れたのに対し、筋肉中にPGC-1a1が多くある遺伝子組み換えマウスには影響がなかった


これまで筋肉を鍛えると脳に有益な化学物質が生成されると思われてきたが、実際は、鍛えられた筋肉が酵素を生成し、ストレスによる有害な生成物を排除することがわかった。研究者らはこれを受け、運動する人達の筋肉がおこなうストレスの“解毒作用”は、「腎臓や肝臓の役割に似ている」とプレスリリースでコメントしている。またこの研究結果はジャーナル誌「Cell」に掲載された。

日頃の運動は、やはり健康維持のための強力な味方である。ストレスによる鬱病を防止するメカニズムが1つ解明されたところで、私生活や職場などでストレスを溜め込んでいる方は、運動で毒素を無効化してみてはいかがだろうか。


■うつ病への運動効果

副作用や依存性の高い抗うつ薬になるべく頼らずにうつ病を改善したいという人にお勧めなのが、軽い運動です。うつ病に対する運動の効果には様々な研究で実証されています。出典簡単♪うつ病改善法


例えば、1985年に発表されたノルウェーの精神科医エギル・マーチンセン氏の臨床試験があります。

この試験は日常生活を送るのもままならないほどのうつ病と診断された49人を半分に分け、一方は1週間に3日、1時間程度ウォーキング、ジョギングなどの有酸素運動を残りの半分はその時間に作業療法を行うものでした。すると9週間後、有酸素運動のグループの男女は作業療法のグループよりもうつ病に大幅な改善が見られたのです


また、デューク大学医学部ジャームズ・ブルメンサル教授は、有酸素運動のみを行ったグループ、抗うつ薬を服用したグループ、抗うつ薬と有酸素運動を併用したグループに分け、4ヶ月間の治療効果を比較しました。すると、有酸素運動のみを行ったグループの回復率が最も高いことがわかりました。さらに6ヶ月後の再発率は、有酸素運動のみを行ったグループが最も低いこともわかっています

なぜ、有酸素運動などのエクササイズがうつ病を改善するのか?

運動をすると、脳内のセロトニンが増えると考えられています。セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からつくられているといいますが、通常トリプトファンがアルブミンというたんぱく質とくっついて存在しているため「血液脳関門」という脳に入るための関所を通ることができません。

しかし、運動をすることによって、体内での脂肪の分解がすすみ、血液中に遊離脂肪酸が増えると、アルプミンはトリプトファンを手放し、遊離脂肪酸とくっつきます。


すると、トリプトファンは「血液脳関門」をスムーズに通過して、脳内に入ることができ、セロトニンに変換されます。現在あるセロトニンを有効活用しようとする抗うつ薬と違い、運動には脳内のセロトニンを増やす効果があるというわけです。


また、運動にはセロトニンだけでなく、ドーパミンやノルアドレナリンといった気分を高揚させたり、やる気を起こさせたりする神経伝達物質があるという説もあります。

いずれも、脳を元気にする精神伝達物質ですから、うつ状態に陥った心も、徐々に回復してくでしょう。


■抗うつ剤が効かない人は、薬よりも運動がオススメな3つの理由

・副作用が無い

・再発率が薬に比べ低い

・抗うつ薬が効きにくい人にも効果がみられる。

■例え強制されてでも運動をすればうつや不安から解放される!?

米コロラド大学ボルダー校のBenjamin Greenwood氏がおこなった調査では、強制されたときでもエクササイズによるメンタルヘルス効果が得られるのかどうかを検証。実験では、マウスを自分の好きなときに運動ができるグループと、決まった時間に強引に運動をさせるグループ、そして全く運動をしないグループの3つに分け、6週間様子を見た。その後、故意的にストレスを与え、そのときの不安レベルを検査したところ、運動していなかったマウスほど感じるストレスが多大であることがわかったとか。しかし、運動を自主的にしていたグループと強制されていたグループの不安レベルには、歴然とした違いは見られなかったという。

Greenwood氏によれば、「自ら進んでエクササイズをした方が、不安やうつを取り除く効果は高いかもしれない。しかし、暗い気持ちから心を守るという面では、無理強いされてでも体を動かした方が、動かないよりはマシだ」とのことだ

■うつ病で体が重い時でも簡単にできる軽い運動

深呼吸

呼吸は普段無意識に行っている事なので運動と呼ぶには大げさですが、呼吸を整えると気持ちも不思議と整ってくるものです。私はうつの症状が重い時は息苦しくなって呼吸が短くなる傾向にあるので窓を開けて新鮮な空気を取り込んでから、鼻で大きく息を吸って口から吐きます。5分ほど続けると体内のリンパ液が綺麗になるという情報もありますが5分は辛いので、5回程度でも一時的にスッキリできます。

首を回す運動を行うとセロトニンを作る縫線核(ほうせんかく)を刺激してセロトニンの分泌が良くなるそうです。右回り、左回りにそれぞれ20回ずつゆっくり回してみましょう。首を回す運動には他に顔部への血流を良くしたり、首のつぼを刺激して目の疲れにも効くようです。実際にやってみると頭の中もスッキリした気持ちになります。


咀嚼(そしゃく)という難しい漢字を使っていますが簡単に言うと噛む事です。一定リズムで噛む運動もセロトニンの分泌を活性化させる事が知られています。だから栄養補給をサプリメントに頼るよりしっかりした食事で栄養を取った方がうつにも効果がありそうですね。うつで食欲が無い時はガムで咀嚼運動を行うといいかもしれません。但し5分以上行わないと効果が薄いようです


ストレッチ。少し元気が出てきたら体全体のストレッチをお勧めします。ストレッチが体全体の血流を良くするのはよく知られていますが、軽い汗をかく程度の運動をすると心も活発になります。本格的なものじゃなくてもラジオ体操のように体をひねったり反ったり伸ばしたりするだけでも効果があります。ひざの屈伸運動なども効果的です


部屋の掃除は最も実用的な運動ですよね。運動効果だけでなく部屋が綺麗に片付くと気持ちいいものです。うつ病の時には掃除も辛いかもしれませんが、これも少し元気が出てきたらやってみてはいかがですか?一度に全部やりきってしまう必要はないので部分的に少しずつ部屋を片付けていくだけでも充分です。

出典

www.heartsplint.net


■運動=日光浴の意味も

運動をするのがいいと言われるのには、日光を浴びるという意味合いも大きく含まれています。昔から日光を浴びるというのは体に良いと言われていますが、科学が発達した今でもそれは変わらず、よりその効果が解明されて推進されています。

 日光にはうつ病にありがちな生活リズムの乱れを整えてくれる作用があり、特に朝起きて一番に朝日を浴びるのは効果的です。例え夜眠れなくて朝が辛くても、朝日だけは浴びるようにしましょう。朝日はあなたの体に一日の始まりを告げてくれます。その他にも日光から摂取できる栄養分というのもありますので、総合効果で健康に向かう事には大きな意味があります。

運動は継続する事で効果を見出すのが一般的ですが、うつ病の場合はそれが最優先事項では無く「何かをしたい!」という意思を持ち続けるのが第一です。今回は運動に焦点を当てましたが、それは運動の有用性を語る為のものなので、運動以外にやりがいとやる気を見せるのももちろん改善に繋がります。

 その中でも運動、体を動かしたいと思うのは特に大事なので、やりたい事に運動が浮かぶようになれば、完治もぐっと近付くので頑張りましょう。


■リズム運動をするとセロトニン神経が活発になる

抑うつ状態の原因であったセロトニン不足が解消されます。

リズム運動は、一定にリズムに従って筋肉を緊張・弛緩を繰り返す動きのことです。「運動」とはいうものの、「スポーツ」には限られません。ヨガや座禅で用いる腹式呼吸、ガムを噛む動作などもリズム運動に含まれます。「リズム運動」というと、なんだか胡散臭い用語のように感じてしまうかもしれません。しかし、うつ病発症の原因の一つ、セロトニン。その研究の第一人者が東京大学医学部教授「有田秀穂」先生です。リズム運動はこの先生が使っているきちんとした概念なんです。この運動が有効なことも、有田先生が研究・論文提出をして実証しています。

リズム運動は、一定のリズムに従って筋肉を動かす動きならなんでもかまいません。
ウォーキング
サイクリング(エアロバイクでもOK)
ダンス
足踏み
咀嚼
腹式呼吸
などが代表例です。

リズム運動のポイント

ある程度の時間続ける
この運動により、セロトニンを分泌する神経が活発になります。活性化は運動開始から5分ほどしてからだんだん始まって、20分程度で最大化します。そのため、最低でも5分以上、できれば15分程度は運動をし続けるようにすると有益です。


無理をしない
うつ病治療の基本は、十分な静養です。あまり無理をしてしまうと、かえって症状が悪化してしまう可能性も十分にあります。症状が重いような場合には、無理に身体を動かさず、ガムを噛む程度に抑えておきましょう。少し症状が緩和されてきたら、足踏み・腹式呼吸など少しずつ慣らしていけばよいでしょう。あまりに負荷を強くしても、セロトニンを分泌する神経は活性化しません。軽めの運動だけにとどめるようにしましょう。

毎日続ける
セロトニンの分泌を十分に活性化させるためには、1日や2日リズム運動を行っただけでは不十分です。うつ病治療は長期戦。ある程度の期間、継続していくことが非常に重要です。


太陽光の下で行う
日光を浴びることもセロトニン分泌に役立ちますので、日光浴をしながらジョギングやウォーキングなどのリズム運動を行うとさらに効果がアップします。

(NAVER まとめから)