アラフォーを襲う危機

年を重ねるごとに体のあちこちのメンテナンスが必要になるが、じつは「心」のケアも重要なことをご存じだろうか。最近話題になっている「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」もそのひとつ。働き盛りの40歳前後に訪れる、精神的な危機のことだ。

中年期を迎えると、体力の衰えだけでなく、老後への不安や年老いた両親の介護問題、職場環境の変化などさまざまなストレスがのしかかってくるものだ。

そういった環境に置かれたとき、「今までの生きかたでよかったのか?」、「今が人生を変える最後のチャンスではないか?」という悩みが生まれるとのこと。その結果、うつ病になる人や、離婚や転職によって環境を変えようとする人が多くなるという。

今回、マイナビニュースでは、会員の男女300名を対象に「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」についてのアンケートを実施。同調査は同サイトを利用している30歳から50歳までの読者を対象として実施した。

○公私ともに悩んでいる人は約4割

まずは、ミッドライフ・クライシスを起こしやすい年代の人たちに対して、「悩み」にまつわるアンケートを実施した。

「仕 事やプライベートを問わず、何か悩みはありますか?」と尋ねたところ、半数以上(57.3%)の人が「はい」と回答。仕事とプライベートでは、どちらの悩 みが多いかといえば、「両方(37.2%)」が最も多く、「仕事(32.0%)」、「プライベート(30.8%)」が続いた。公私ともに悩みを抱えている 人たちは、つねに心が休まらない状態といえよう。

悩みの原因については、「人間関係(50.6%)」を筆頭に、「体力の低下(42.4%)」、「環境の変化(23.3%)」が続く。

ミッドライフ・クライシスを引き起こす原因で悩んでいる人は多いことが明らかになったが、具体的にはどのようなことに悩んで、どのように対策をしているのだろうか? 続いては、会員が抱える悩みと対策をジャンルごとに紹介したい。

○仕事に関する悩み

悩み1「仕事はできるけど、YESマンにはなれないので、未だに平社員、かといって業績好調な会社ではないので、自分の考えは間違っていないので、余計に悩み中」
対策「転職の為に、資格勉強しています。後は、BIGで高額当選したら会社を辞めるのもあります」(44歳男性/情報・IT/技術職)

悩み2「社長との意見や相性が合わないから、精神的に疲れる」
対策「どうすれば疲れが取れるかを考えて、リフレッシュしようと努力している」(39歳男性/商社・卸/事務系専門職)

悩み3「このまま今の仕事を続けていて未来はあるのか」
対策「Uターンも視野に入れて職を探しています」(31歳女性/小売店/秘書・アシスタント職)

仕 事に関する悩みは、「転職」にまつわるものが多かった。職場環境や人間関係に悩んだり、業績に不安を覚えたりしたときに、「このままでいいのだろうか?」 と考えてしまう人は多い様子。すでに転職活動を進めている人がいる一方で、ストレス解消法を見つけてその場をしのいでいるという声も見受けられた。

悩み4「仕事で要求されているレベルについていけていないこと」
対策「何ができないのかを整理して、若い時に教わったことをもう一度思い出す」(35歳男性/情報・IT/技術職)

年齢とともに責任が大きくなることで、悩みを抱えてしまう人も少なくない。また、職場のIT化が進んでついていけない、という悩みも散見された。これも、環境の変化についていきにくい中年期ならではの悩みではないだろうか。

○家庭に関する悩み

悩み1「常に何かを批判したり文句を言ったりする傾向があり、一緒にいることがしんどくなることがある。距離を取って付き合っているが、やはり精神的なダメージになることもある。かと言って、別れるにも至れない」
対策「しんどいと思ったらそう伝えるようにする。まともに相手をするから自分が疲れると言うのもあるので、嫌な話をされそうだったら態度で示すようにする」(41歳女性/金融・証券/秘書・アシスタント職)

夫や妻にイライラして、離婚にまで発展してしまうのもミッドライフ・クライシスの特徴のひとつ。言い争いを避けるためにグッと我慢していることもあり、さらにストレスを抱えてしまうケースも見受けられた。

悩み2「収入が少なく、子供にお金が掛かる今後が心配」
対策「妻の仕事の時間を長くしてもらった」(49歳歳男性/自動車関連/事務系専門職)

中年期を迎えると、子どもの進学問題が浮上することもあるはず。夫婦共働きで進学費用をねん出することは珍しくないが、専業主婦が、社会に出ることに対して不安を抱えてしまうケースもあるようだ。

○健康に関する悩み

悩み1「疲れが取れにくく、体が重く感じる事が多いです」
対策「サプリメントを摂ったり、ウォーキングをして体の調子を整えています」(31歳女性/ソフトウェア/事務系専門職)

30歳を過ぎたころから体力の衰えを実感する人も多いだろう。体力作りに励む人もみられたが、日々の疲れがとれず、なかなか対策できずにいる人も目立った。

悩み2「メンタルの面で社会人になってから急激に弱くなり、休むことがたびたび起こっている。しかし、それがすでに何度かなっているため友人にもあまり言えないことであるし、それが外に出ていくことに抵抗があったりと逆効果になって改善がされていない」
対策「なるべく人のいるところでもいられるように出かける」(33歳女性/学校・教育関連/事務系専門職)

ストレスが積み重なり、心の病を抱えてしまう人も見受けられた。リフレッシュするように努めているものの、なかなか改善されずに悩んでしまう様子がうかがえた。

○プライベートに関する悩み

悩み1「同じ趣味を持つ同士で話をしても深く掘り下げた話ができなくてつまらない。人と会うのは楽しいが好きなことを十分楽しめない気分が常にある」
対策「積極的に話し掛けるようにしているが逆効果になることが少なくないのも悩み」(45歳男性/ソフトウェア/技術職)

大人になると、新たに友人を作ることが難しくなる。旧友ともなかなか会えず、寂しい思いをしている人は少なくないようだ。

悩み2「結婚したくないが、親を安心させたいので結婚しなければならないと思うのが悩みです」
対策「街コンや出会いがありそうなイベントに行ったりしています」(32歳女性/商社・卸/事務系専門職)

結婚や出産にまつわる悩みも多数寄せられた。「子どもがほしいけれど、なかなか授からない」、「結婚しろと周りがうるさい」など、当人にしかわからない悩みも多い。

○ミッドライフ・クライシスの認知度は1割弱

ア ンケートからも、中年期の男女がさまざまな悩みを抱えていることが明らかになった。これらが原因で、ミッドライフ・クライシスを引き起こす可能性があるわ けだが、このミッドライフ・クライシスを「知っている」と回答したのは7.7%だった。まだまだ認知度は高くはないようだ。

ミッドライフ・クライシスを乗り越えるには、自分の悩みと向き合い、改めて人生設計を行うことが重要と言われている。「このままでいいのか?」と考えたときに、単なる「悩み」と片づけてしまうのではなく、専門家などにアドバイスを求めることも大切かもしれない。(まいなびニュース)