独旅客機墜落とうつ

副操縦士宅など捜索 「鬱のようだった」周辺者証言

 【ベルリン=宮下日出男】ドイツの格安航空会社「ジャーマンウイングス」のエアバスA320機墜落で、ドイツの警察当局は26日、アンドレアス・ ルビッツ副操縦士(27)の関係先を家宅捜索した。副操縦士が故意に同機を墜落させた疑いが強まっており、捜査当局は動機など墜落の全容解明を急いでい る。

 DPA通信によると、捜索先は、ルビッツ副操縦士が暮らしていたドイツ西部デュッセルドルフ市内の自宅と同モンタバウアの実家の2カ 所。墜落を捜査しているフランス検察当局の要請に基づいて行われた。仏検察当局は副操縦士について、殺人容疑で捜査することを検討している。

  ジャーマンウイングスの親会社のルフトハンザはルビッツ副操縦士について、定期的な検査では精神状態を含めて異常はみられなかったと説明。だが、独紙フラ ンクフルター・アルゲマイネ(電子版)は同日、ルビッツ副操縦士が数年前、「鬱のようだった」とする周辺者の証言を報じた。

 独政府は副操縦士にテロリストとの関係はみられなかったともしており、捜査では動機の解明が大きな焦点となっている。当局は捜索により、副操縦士が最近どのような精神状態だったのかを把握する手がかりを得たい考えだ。

 エアバスA320機は24日、仏南東部の山中に墜落。仏検察当局は26日、ボイスレコーダー(音声記録装置)を解析した結果、副操縦士が機長を操縦室から閉め出し、墜落させた可能性が高いと明らかにした。

 ドイツの地元当局は26日、28歳としていたルビッツ副操縦士の年齢を27歳に訂正した。(産経デジタル「イザ」から)