PTSDの症状
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、過去に心に受けた傷(トラウマ)がストレスを生んで、不安や緊張を起こすタイプの不安障害です。
【トラウマの例】
戦争、災害(台風、地震、火事など)、事故、児童虐待、家庭内暴力、DV、犯罪被害(暴行、強姦、性的虐待など)、日常的に辛い体験や悲しい体験をしてきた
※直接の被害者でなくても、これらを目撃したことがトラウマとなるケースもあります。
PTSDには、主に次の3つの症状があります。
侵入的症状(再体験、フラッシュバック)
トラウマの原因となった出来事が、本人の意志とは関係なく突然、心によみがえることです。
侵入的症状の例には次のようなものがあります。
- 原因となった出来事についての記憶をぶりかえす。
- 原因となった出来事やそれに近い内容の悪夢を見る。
- 原因となった出来事を思い出したことにより、動悸、発汗などが現れる。
回避行動
トラウマの原因となった出来事やそれに関係することをできるだけ回避する行動です。
回避行動の例には次のようなものがあります。
- トラウマの原因となった出来事に関することを一切考えない、話さない。
- トラウマの原因となった出来事に関する場所や人を避ける。
- トラウマの原因となった当時の記憶を思い出せない。もしくは部分的に思い出せない。
- 孤立感が強まり、引きこもりにつながる。
- 感情が麻痺し、人間的な喜びを感じられなくなる。
過覚醒症状(精神的な過敏症状)
トラウマの原因となった出来事が、まだ継続しているかのような感覚を持つことによる症状です。
過覚醒症状の例には次のようなものがあります。
- 絶え間ない警戒心
- 少しのことでも驚きやすくなる
- 集中力の低下
- 睡眠障害
- 怒りっぽい性格
PTSDがもたらす影響
PTSDを発症したことにより、本人が苦痛を受けるばかりか、周りの人にも影響を与えます。
PTSDがもたらす影響を以下に記します。
自責の念
自分だけが助かった、自分に何かできたのではないかといった罪の意識に苛まれます。
アルコール依存
苦痛をやわらげようとしてアルコールに頼ります。依存症に発展することもあります。
社会生活の回避
日常生活が困難になります。車に乗れなくなったり、水が怖くて船に乗れなくなったりもします。
過去の辛い恋愛経験のせいで実際の恋愛ができなくなったりします。
人とのコミュケーションが困難になります。怒りっぽい性格により、周りからはわがままや気難しい性格だと思われ、孤立感を一層深めます。
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