休職の流れ・・・手続き

休職を決意したとき、気になるのが今後の見通し。中でもあまり知られていない「休職手続きの具体的な流れ」について、詳しく追っていきましょう。


必要な書類
 休職に必要な書類は大きく2つに分けられます。1つは「会社に休職を申請する書類」、もう1つは「傷病手当金を申請する書類」です。

1)休職申請に必要な書類

  • 休職願(会社の様式に従う。無い場合もある)

  • 医師の診断書(会社から請求があった場合)

会社の人事部門に提出します。

2)傷病手当金申請に必要な書類

  • 健康保険傷病手当金請求書
    (初回申請時添付書類:欠勤した最初の月とその前月の出勤簿および賃金台帳の写し)
    (最終回申請時添付書類:欠勤最終日を含む月の賃金台帳の写し)

こちらは所轄の社会保険事務所または健康保険組合に毎月一回提出します。


休職までの流れ
 休職を決意したら、まず職場の上司に相談しましょう。言葉を濁さず、「うつ病と診断されたため、休職したい」とハッキリ伝えるのが良いでしょう。会社に専属の産業医がいる場合、改めて産業医の診察が必要かもしれません。その場合は指示通り受診しましょう。
 上司から休職の了承を受けた段階で、上記書類を提出するよう指示されるはず。必要事項を記入し、忘れずに提出してください。特に、傷病手当金関連の書類は休職中の収入を左右する大事なもの。もし手元に届かないなら、上司または会社の健康保険組合に遠慮なく請求して大丈夫です。
 以上の手続きが終われば休職期間の始まりです。思う存分寝て、失ったエネルギーを少しずつ取り戻していきましょう。


傷病手当金の支給について
 休職に入って初めの3日間は「待機期間」とされ、手当の支給はありません。実際に支給されるのは4日目から復職の前日までの間で、1ヶ月ごとにまとめて振り込まれます。

給付額は
     標準報酬日額×0.6×1ヵ月の日数(土日祝日を含む)
月額にして、今までの給与の約6割くらいと考えておけば間違いありません。

 傷病手当金申請書は毎月一回提出します。医師が病状を記入する欄がある場合、通院時に忘れずに持参し、記入してもらった上で提出してください。
 初回の申請後、振り込みまでは通常約1ヶ月。その間の生活費は、貯金でなんとかやりくりしましょう。
 なお、手当受給期間中も健康保険の支払いは続きますのでご注意を。一方、雇用保険は休職期間中は支払いが免除されますが、会社によってはいったん月ごとに天引き徴収した上で年末に調整・返還される場合があります。これらの事情をふまえて資金計画を練りましょう。

また、会社が所属している保険組合によっては

  • 傷病手当附加金…傷病手当に加えて割り増しのお金がもらえる

  • 延長傷病手当附加金…傷病手当金が1年6ヶ月で切れた後ももらえる

の制度があり、その場合はさらに手厚い給付を受けられます。詳しくは会社の健康保険組合窓口へ。


休職期間満了で退職となった場合
 就業規則に定められた休職期間が過ぎても病状が回復せず、勤務に復帰できない場合はどうなるのでしょうか。大抵の場合は、休職期間満了時を雇用契約満了扱いとし、休職期間終了と同時に自動退職となるケースが多いようです。ただし細かい規則は会社によってまちまちなので、必ず会社の就業規則を確認してください。
 もしも退職になってしまっても、企業の健康保険に2ヶ月以上加入していれば、傷病手当金を期間満了(1年6ヶ月)まで継続してもらい続けることができます。継続受給の条件・手続きは以下の通りです。

休職中に受給開始した傷病手当金を、退職後も継続受給する際の必要条件200612月現在)

  • 勤めていた企業の健康保険に1年以上加入していた
     →特別な手続きは不要

  • 2ヶ月以上1年未満加入していた
     →退職時または退職後20日以内に健康保険の任意継続手続きをとり、引き続き保険料を払う

 

加入2ヶ月未満の場合、継続受給はできないので注意してください。
なお2007年4月1日に健康保険法が改正され、傷病手当金の支給条件が一部変更されます。詳しくは会社の健康保険組合または地域の社会保険相談窓口にお問い合わせ下さい。