うつの治療について

うつ病には一般的なイメージを持つ「定型うつ病」と、それとは違い、若い人に多いとされる非定型うつ病(新型うつ病)があります。

 

ここでは「定型うつ病」の治療方法についてお話します。

 

基本的な治療方法は休養と薬によるものになります。
この病気は脳の神経伝達物質の働きに異常が出ててしまったために引き起こすものなので、そのバランスを改善し、機能を回復させる「抗うつ剤」という薬を服用します。

 

抗うつ剤にはSSRI(神経伝達物質のセロトニンの再取り込だけを阻害する薬)とSNRI(セロトニンの他にノルアドレナリンという伝達物質の再取り込の阻害する薬)という薬がよく使用されます。

 

これらの薬は服用してすぐに効果が出るのではありません。
服用して2週間~2か月で効きはじめます。

 

「飲んですぐに効くものがいい」とおっしゃる方がいるでしょう。

しかし、脳と心のくすりで、すぐに効くような薬は、大変に危険とリスクが伴います。

 

どんな薬にも必ず「副作用」があります。
飲み始めや、増薬直後は、「めまい・吐き気」を感じる人がいます。

 

 

薬の効果が出るまでに時間がかかるために、薬を増やしたり服用を止めてしまうと副作用が強く出ることがあります。薬を止めるのも、増減させるのも医師の指示に従って正しく服用する必要があります。

 

休養は薬の服用と共にとても大事な治療になります。

 

この病気を患うと、疲れやすい、判断力が鈍くなる、これまでできたことが出来なくなった自分に苛立ってストレスを感じてしまいます。
ストレスを遠ざけるために、何もせずにゆっくりと過ごし、心身ともにリラックスできる状態にします。

 

回復すれば何かしたい気持ちが湧いてくるので、それまでの辛抱です。

 

薬と療養以外に「認知療法」が回復効果が高いと言われています。
カウンセラーと共に心の問題がどのような時に、どのような形で生じるのか、不安や自責の念に囚われた時の心の状態、考えかたの癖などを探し出して修正するという療法です。

 

うつ病という病気は脳と心の病気なのですから、風邪のように薬を飲んで寝ていれば治るというものではありませし、気合で治せるものでもありません。

 

もたもたしていたら重症になりかねませんので、「つらいな」と感じたら、早めにカウンセリングを受けましょう。