若者に増える新型鬱 出社できない…でも旅行や趣味はOK

 朝になると気分が落ち込み仕事には行けないが、休んでしまえば旅行も趣味も楽しめる。そんな従来にはなかった「新型鬱」を発症する若者が増えている。なかには本当に病気か疑わしいケースもあるといい、企業の担当者や精神科医らを悩ませている。

 

■辞めると言えない

 「大型連休で気が緩んだ5月中旬から6月は『心の病』に関する相談が一気に増える。特に昨年は新入社員ら若手の相談が多かった」

 全国180社と契約し、社員らのメンタルヘルス(心の健康)対策を請け負う「ジャパンEAPシステムズ」(東京都新宿区)の臨床心理士、松本桂樹さんは打ち明ける。これまでに面談した新入社員は1千人以上。従来の鬱症状は、40代以降に多かったが、5、6年前から20代の相談が増え始めた。

 「自分では仕事ができると思っていたけれども、思っていたよりできなかった」「朝がつらくて会社に行けないが、辞めるなんて言えない」など相談は“社会とのギャップ”に関する悩みがほとんど。突然会社に来なくなり、人事担当者を介して相談に訪れる若手社員も多いという。

 

■深刻なケースも

 こうした悩みが悪化し、鬱病となるケースも少なくない。3年ごとの厚生労働省の患者調査によると、鬱をはじめとした気分障害で、平成23年に精神科にかかった20代の患者は全国で7万9千人(推計値)。東京女子医科大学の山田和男教授(精神医学)は「若者に多いのは俗に『新型鬱』と呼ばれる症状。一見して元気に見えるが、ときには深刻で、抗鬱剤が効きにくく、治りにくいのが特徴だ」と語る。

 

 山田教授によると、従来型の鬱では、生真面目さが災いし、仕事でのミスが続くと「自分は無価値だ」と自らを責め、徐々に心に変調を来していく-というのが典型だった。

 

 ところが「新型」は正反対。都合の悪いことが起きると社会のせいにしがち。すべてのことに興味を失う従来型と違い、会社には行けないが、趣味や旅行などは楽しめる、などの特徴があるという。

(産経ニュース『深・裏・斜』読みより引用)

 

 ゆとり世代と揶揄する風潮には反対致しますが、いとも簡単に彼らが口にする「病んでいる」という言葉には、ちょっと抵抗を感じてしまいます。

 

 ただし、うつに関しては、早期治療が効果的ですから、彼らの「病んでいる」判断での受診は、とても良いことだと思われます。変にこじらせる前に、ご相談ください。