40~50代の「うつ病発症」ケース

 

「躁うつ病」は、20歳代に発病のピークを迎えるとされていますが、40歳~50歳代で発病するケースも多いようです。
40歳~50歳代では、おもにうつ状態だけの「単極型うつ病」を多く発病しています。


「単極型うつ病」の引き金となるものに、「身体的要因」があげられます。
身体の老化、体力の低下、その他、高血圧や脳血管障害、白内障、パーキンソン病といった慢性的な難治疾患です。


もう一つの大きな要因が、社会状況的要因です。
40歳~50歳代になると、早い人では退職や引退を経験する時期でもあります。
また、子どもの就職や結婚による「役割の喪失」、配偶者との死別、経済的・社会的地位の低下なども考えられます。


身体的要因と社会状況的要因が基盤となっていることもあるのですが、「心理的要因」もあります。
「心理的要因」には、生きがいを失ってしまった、孤独、不安、目標の喪失などがあげられます。


しかし、加齢による身体的な衰えは誰にでも必ず訪れるものであり、それだけがうつ病の原因とはなりません。


初老期うつ病になる人に特徴的な要因として、もうひとつチェックしておきたいのは、自身の「性格」です
「執着気質(しゅちゃくきしつ)」という性格的な特徴です。


執着気質な人は、何事も完璧でなくてはならない「完璧主義」が多いようです。
また、凝り性、几帳面、強い責任感をもつ人たちも含まれます。


このような性格をもつ人は、肉体的、環境的な変化をうまく受け入れることができず順応できないままに、かつての生活を維持しようとしても結局上手くいかず、さらに落ち込んでしまうのです。


初老期うつ病の特徴的な症状として、強い不安感や焦燥感がみられます。
そして、絶望にとらわれ、被害妄想的になってしまうのです。


また、身体的な変化が現れる時期と重なることもあり、身体へ関心が向くことから身体的不調を強く訴える傾向が多いようです。