思い出ぽろぽろ?40代、50代の涙

長引く不況などを背景に、うつ患者は増え続けている。厚生労働省によると、国内のうつ病患者は、2008年に初めて100万人を突破した。

 1年ほど前までなら、うつと言えば職場に適応できない20~30代のケースを指すことが多かった。ところが最近、その状況に変化が起きている。「リーマンショック以降、40代のうつが急増している」とピースマインドの荻原国啓社長が言う。同社は今年10月、過去の利用者約7000人の相談内容を分析した。すると、リーマンショック直後(2008年10月)に全体の28%を占めていた40代が、約半年後には37%に跳ね上がっていたのである。相談者の数も、今年3月に40代が30代を逆転していた。

ここにきて40代が急増しているのはなぜか。
 「バブル全盛期に入社した40代、特に45歳以上の社員は、それなりに企業の庇護を受けてきた。就職氷河期の30代に比べれば、会社への帰属意識も強い。ところが、今回の不景気によっていきなり早期退職や給与カットを迫られ、梯子を外されたという失望感が影響しているのではないか」

 ピースマインドの小薬理絵シニア産業カウンセラーもこうつけ加える。「40代は出世ポストが頭打ちの半面、部下が少なく、業務は増す一方。立場上、常に成果というプレッシャーにさらされている面も大きい」。
 
40代うつ傾向の主なサイン

 

思い出ぽろぽろの40代。そして50代は、涙がわけもなくこぼれてくるようになったら、自分でセルフチェックしてみてくださいね。