家族で向き合う「性同一性障害」 NHK朝イチより


専門家ゲスト:
針間克己さん(精神科医)、杉山文野さん(性同一性障害当事者)
ゲスト:
内藤剛志さん(タレント)、山口もえさん(タレント)
リポーター:
高橋さとみアナウンサー

自分の体と心の性に違和を持つという「性同一性障害」。この性同一性障害を取り巻く環境はここ数年で、医学的にも社会的にも大きな変化が起きています。
2004年に特例法が施行され、戸籍の変更や性別適合手術が公的に認められるようになり、現在までに約3000人の人が戸籍上の性別を変更。数年前からは教育現場でも、性的マイノリティの教育に力を入れ始めています。
しかし、社会的認知が進み当事者がカミングアウトもしやすくなったものの、自分の家族から性同一性障害を告白されたとき、すぐには受け入れられないと言う人も多くいます。また、社会に出た時にも偏見や差別、社会制度の壁に苦しむ当事者も少なくありません。
そこで今回番組では、性同一性障害の現状や課題などを家族の目線を通してお伝えしました。

性同一性障害とは

性同一性障害とは、「心と体の性が不一致」の状態のことです。
心の性別は、気の持ちようやカウンセリングで変わるものではありません。
性同一性障害の人は、現在日本に、1万5千人いると言われています。

・「男性」の体を持って生まれたが、心の性は「女性」→MTF(Male to Female)
・「女性」の体を持って生まれたが、心の性は「男性」→FTM(Female to Male)

 

夫が性同一性障害と診断された時・・・

実は「性同一性障害」は、日本では1997年(16年前)に、初めて治療として取り組みが始まりました。
そのため、それ以前に自覚していたものの、その気持ちが何なのかが分からないまま、男性として普通に生きようと、就職、結婚。結婚して20年経った最近になっても気持ちが抑えられず、精神科を受診し、性同一性障害と診断された男性を取材。
昼は会社で男性として働きながらも、週に数度、同じ悩みを抱えた友人と過ごす日々に密着、その苦悩をお伝えしました。
また、その妻にもインタビュー。性同一性障害を夫から告白された時、妻はどう感じ、どう受け止めたのか、その苦しい胸の内を答えて頂きました。

 

子どもから性同一性障害を告白された時・・・

幼少の頃から自分の体の性に違和感を抱く、性同一性障害。その違和感が顕著になってくるのが、体の第二次性徴が始まる思春期です。そんな思春期にカミングアウトをするケースも増えてきています。
今回番組では、入学1か月後にクラスメイトに性同一性障害(FTM)を告白した男子学生を取材。友達や学校は彼をどう受け入れているのか。
また、小さい頃から男性の服しか着ようとしなかった我が子を、母はどんな思いで見守ってきたのか。インタビューを通してお伝えしました。

 

“見た目”で不採用に・・・MTFの人たちの苦しみ

勇気を出してカミングアウトしたものの、性同一性障害を理由に、社会的な差別を受けることも多いといいます。番組では、MTFの人たちのQOLを支えようとボイストレーニングやメイクアップ講座などを行ってる病院の支援プログラムを取り上げました。

<取材協力>
岡山大学病院

当事者の結婚と特例法

 

性同一性障害の当事者が結婚を考える時、戸籍を変える必要があります。
2004年から施行された「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」では一定の条件をみたせば、戸籍を変更することが可能になります。
しかし、その条件を満たすためには、性別適合手術を受けなければならず、当事者を見守る家族にとっては、心配の要因となっています。

※ 意外と身近に、居られます。